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何故じゃ~どうしてじゃ~何故じゃ~

Date
5月, 18, 2020
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なんで私は靴のお手入れするんでしょう?

クリーム塗ったり、汚れおとしたり、時には洗ったり、またクリーム塗ったり。

なんでなのか考えると、今後の自分のお手入れ方法ルーティンが見えてくるのでは?

まず靴をいい状態に保つってどんな状態なんやろ?

十年履きたいな。十年後どんな状態が好ましい?

やっぱりひび割れてない状態で履きたいな。

そう!私が恐れるのは、主に履き皺から起こる革のひび割れ(クラック)

道具としては全然使えるけど、嗜好品としてはひび割れるとやっぱり悲しい気持ちになりますよね。

靴お手入れしとく事が身だしなみである事に違いありませんが、靴自体をいい状態に保つってのは、このひび割れを出来るだけ防ぐためにやってるんじゃないでしょうか?

メンテ類の進化もこれとの戦いだったと推測されます。

一昔前、靴のお手入れと言えばカンカンに入ってるポリッシュ(ワックス)でした。

靴に必要な油分(潤い)を与え、蝋で艶を出す。ポリッシュ塗って、水付けてブラシでガーみたいな。

これ塗ってピカッとしますが同時に蝋の層が靴の上に積み重なり結局は油分も酸化、硬化、新しい油分も浸透しにくくなり革が硬化しひび割れるってな事も。

そこでこれを和らげる為に作られたのがクリーム。

水分と油分と蝋成分を乳化させ分離しないようにしたクリームで靴全体に薄くのばせるように。

薄く塗りつつ革に必要な油分、水分を蝋でこれまた薄く蓋する感じ。

だから私は靴全体にはクリームを塗る。

ついでに近い色のクリームを塗って補色。

どっちかというと染料ベースのクリームの方が好き。(好みです)

ほんでもってなんでシューキーパー入れて靴磨く?

やっぱり、ひび割れさしたくないから。

ひび割れするのって主に屈曲部分の履き皺ですよね。

シューキーパー入れて皺のばして、皺入ってるところにも油分補給したい。

私はクリームを塗るときブラシを使います。(ペネトレィトブラシ)

なんでなん?

ブラシで刷り込む事で極力薄くクリームを延ばし、同時に皺を蝋で過度に埋めない(油分浸透しないことによる革の硬化防ぐ)為ブラシで塗る。

ついでにブラシならウェルト、アッパーの際にもクリーム塗ることが出来る。ウェルトも革です。理屈としてはここにも潤い与えたいですよね。

だから私はシューキーパー入れてブラシでクリームを塗る。

その後、なんででっかいブラシ使ってブラッシングするの?

ハリのある豚毛ブラシなんかでブラッシング。主に蝋に摩擦熱を加える事で艶が出ますね。勿論この作業、布でも摩擦熱加え艶出すこと出来る。

でもブラシなら摩擦熱を加えると同時に塗ったクリームを薄くのばしながら皺から掻き出すってな作業でもあります。

だから私はでっかい豚毛ブラシでブラッシングする。

もう一つ、お手入れルーティンの一つ

なんでたまにリムーバーを使うの?

これもひび割れを防ぐためという事になりますね。

水と乳化したクリームとはいえ含まれる成分は蝋と油。

蝋があまりに乗りすぎると油分も浸透しにくくなる。

また油分が酸化し硬化、革の硬化に繋がりひび割れを起こす原因になります。

リムーバーで蝋の層を除去し、酸化した油分を浮かしとる。

更にリムーバーであれば蝋、酸化した油分除去に加え界面活性剤により内部の汚れ(かいた汗による塩分等)も浮かしとる事が出来る。

リムーバーの主成分は水。昔は固く絞った布で靴を水拭きなんてのもやっぱり古いワックスを除去しひび割れ防止の為なんかな?

だから私はリムーバーを使う。

なんで光らすのつま先と踵?

これ今ままで書いてきた事にも繋がります。

つま先と踵、大概芯入ってます。よほどのことがない限り常に屈曲することないんですね。

だから私は屈曲する部分にはポリッシュせず、つま先と踵のみポリッシュに含まれる蝋でコーティングし艶を楽しむ。

ついでになんで汚れ落としやらクリーム塗ったりする前に、ブラシでほこり落としするの?普段もこまめに埃取っとくのはなんで?

ウエルトに埃溜まってると見た目良くない。埃かぶってない方が見た目いいに決まってる。

また、ホコリが革の中の油分を吸着してしまうこともあります。薄い茶色の靴の履きジワが黒ずんでいることがありますがこれは埃を取っておかないことでシワの谷間にホコリがたまり革の中の油分を吸って沈着するためでもあります。そのため、ブラッシングは革の油分を抜かないためにもしておいた方がいい。

でも何故馬毛が適してるのか?豚でも羊でもええやん?

実は馬毛ブラシは枝毛状です。細かい埃を掻き出すことに向いていて

摩擦熱+静電気起こすことで埃を吸着するんですね。

だから私は馬毛ブラシで埃を落とす。

ひび割れが嫌やから行う私のメンテナンス。

必要最低限な作業、思いっきり当たり前やんみたいなことかもしれませんが

何故その作業が必要なのかに焦点をあてて書いてみました。

もっともこれでいいのか?結果は10年後くらいには分かるかな?

一応十年以上このお手入れできて、お客様の靴も10年以上お手入れのお手伝いをさせて頂いてます。また自分で履いてるからこれはこれでいいのでしょう。

とは言え靴のお手入れは長丁場。

今後もメンテナンスの道具の進化、時代によって考え方は変わっていくでしょうし、今のやり方に固執せずいい物はどんどん取り入れて革靴を長く楽しみたいものですね。

たまになんでなん?を掘り下げていくと、自分流お手入れルーティンが出来上がるんじゃないでしょうか?

靴を履く事、靴自体の美、そしてお手入れ全部ひっくるめて楽しみましょう!!

5月 11, 2020

gidai

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