田中十靴店ではどちらのお靴でもお修理も承っております。
前職から靴屋として16年、それこそとんでもない数のお修理をお受けし、とんでもない数のお修理例を見てきました。
勿論、自分の靴も修理しながら履いていますし、数々の実験的修理も繰り返してまいりました。
修理は出来るだけ元の状態に近づけ、道具として再び使用する為の強度を補う作業と思います。
しかし、修理という機会を利用し、何かを付け加えたり変える事で自分のオリジナル靴へと昇華させるのも至福に満ちた革靴ライフに繋がるのでは?と思いちょっとした改造をおススメする事もあります。
堅苦しいですな
いっちょ改造修理例を見て行きましょう!!
ご覧ください
内羽根式フルブローグ
3/4ウェルトでヒール釘留めではなく、ヒールまでぐるり一周ウェルト(鉢巻)
ストームウェルトまでいかずシングルウェルトなのがミソで、ボリューミーでありながらドレスにも対応するこちらの靴。
Vibram528 タンク型スポンジソールに交換。
絶妙のウェルト仕様とソールとの相性がポイント!!
ドレス仕様のフルブローグでありながらウェルトぐるり一周の為、底材の厚みに負けない。上から見るとシングルウェルトの為ドレス靴の要素も壊さない!!
ガシガシ履いて下さい。ドレスの崩しに使うもよし、カジュアルな服装にドレス靴を落とし込むもよし!!
因みにこの仕様 価格¥14,300(税込)也
トリッカーズのトップリフト
革とゴムのコンビ(V字)からビブラムコマンドに交換
これも立派な改造ですよね。見た目も格好いいと思います!!
滑りが気になる方にはおススメです。
前半分貼られる方も多いですが滑るのはこの踵の部分です。
革底の良さである撓りや通気性を維持したままグリップ力を高める。
結構理想的なお修理かと思います。
トップリフトには色んなパターンありますし楽しんでみてもいいと思います。
因みにトップリフト ビブラムコマンド¥3,300(税込)~
他の部材、価格¥2,750(税込)~也
※部材、減り具合によって価格は変わります。
つま先スチール補強
基本新品の状態でお付けします。ネジ留めの為減った状態に付けるのはおススメしてません。(革補修してその上からスチール付けることはあります)
つま先は減ったら後から、つま先部分だけ革やゴムで補強できます。
スチール付けないといけない訳じゃない。
スチールは減らないというメリットがありますが床を傷つけたりスチールである事で滑るなんていうデメリットもあります。
あとネジ止めやからネジ馬鹿になって外れたら同じネジ穴使うと弱い為、基本的には革かゴムで補修します。
個人的には減ったら減った分補修して履く派です。
でも見た目恰好ええから付ける時あります!!
それも一つの理由ですよね。
これも歴とした改造やと思います。
因みにスチール補強 部材トライアンフ¥4,950(税込)也
革底ペコペコになったからオールソール
革底にてお修理
なんとソール交換を機にウエストのウェルトを縫わずギリギリまで削って
ウエスト部をマッケイ掛け。前半分グッドイヤーウェルト仕様!!
ほんに自分だけの拘り、好奇心?探求心?
履いた時の立体感半端ないですよ
こちらCrockett&Jonesのお靴ヒールの高さは真っ新の状態でウェルト込2.5センチくらい。ジョンロブさんのお靴なんかは3センチくらいかな?
現行よりヒール高くしました。(ウエストの括れを際立たせるため)
因みにこの仕様のオールソール交換¥24,200(税込)~也
普通のオールソールは革底¥16,500(税込)~
ゴム底¥12,100(税込)~
※使用する部材や仕様によって価格は変わります。
サンクリスピンのお靴はウエストはペース留め
オールソールを機にVibram269にチェンジ!!
ウエスト部分にマッケイ掛け、前半分ウェルトを縫って底付け。
Vibram269という部材、ウエスタンブーツなんかに使用する部材。
この部材、厚みに差がある。ウエスト部分は地面接地部分より薄くなってる。
こういう縦に立体感のあるラバーソール、実はあんまりないんですよね。(そりゃそうですゴムを型に流し込んで作る訳ですから厚みに違いあると面倒くさいはず)
ドレッシーなラバーソールとしておススメしてます!!
因みに¥13,200(税込み)~也
これからお修理して、クリーニング、磨いてお渡しする靴たち。
部分修理 約1~2週間
オールソール 約一か月
田中十靴店ではお修理でお預かりした靴は必要なメンテナンス、磨きやハイシャインをした上でお渡しとなります。そこまでがお修理と考えております。
お気軽にお修理お持ち込み、ご相談ください。
皆様のご来店をお待ちしております。