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これやからSaint Crispin’sはやめられへん 其の八

Date
11月, 05, 2023
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サンクリピンを仕入れる際、私はいつもルーマニアの職人と直接やり取りをしています。

手染めの色はどのくらい?もう少し暗め?穴飾りの大きさは?穴飾りの中の色は?(それ細かすぎるやろ)等々、職人側から質問が来ることもありますし、当店側からこんな事出来るか?と聞くことも多々あります。

日々ディスカッションの賜物でしょうか?当店ではデザイン自体を一から作ってもらったりもします。

そのデザインの一つがこちら

Derby 5 eyelets punched cap toe このモデルも格好いいな~

ワークブーツの意匠をもとにデザインしたドレスシューズ。

絵を書いて、こんな靴を作ってと依頼。パターンを作成してもらいました。

そして更に今回このダービーをもとに作った新作がこちら。

Derby 5 eyelets half brogue

¥267,300(税込み)

素材 クラストカーフ
色 Blackish purple(紫を極限まで黒に手染めで仕上げた独自の黒)
底材 Single leather sole+Higher heel, plus 4mm, Cuban style
製法 Hand sewn welted
ウィズ F
※木型に沿ったラステッドシューツリーが付属しております。
価格はシューツリー込の価格です。

商品についてはこちらをご覧ください

外羽根式セミブローグです。つま先にメダリオンを入れました。

革は手染めにて仕上げるクラストカーフ

色は当店独自の黒、紫に染めた革を黒に極限まで近づけるブラキッシュパープル。

このデザインは元の元、ワークテイストドレスシューズを作る段階から候補としていたデザインです。

当店の都合上、一気に新作は出せないので第二弾として登場!!

メダリオンリスト17通りある中から、キャップの直線との相性やつま先の形状を考え、これが格好いい!!を選択しました。

チゼルトウに対して、面にデザインが収まるよう縦長のメダリオンを選択。

ここも今回のポイント

ギンピング(ギザギザ)を入れてます。セミブローグらしさを出したく職人に依頼しました。

イメージですがこれがある事でよりスポーティーに見える印象。

ヒールは当店独自指定

4ミリアップキューバンスタイル(通常より4ミリ高くして接地面に向かって傾斜を付けるピッチドヒール)+土台事態に張り出しを設けてもらっています。このヒールもワークブーツから着想を得ました。(職人に伝えるのに非常に苦労した部分です)張り出しにより、更に立体的に、グラマラスに。

お好みにもよりますが私は、ドレッシーに見えるさまは必ずしもシャープさや薄さだけではないと考えています。メリハリがあってこその立体感やドレッシーさ。敢えて出っ張りを作り傾斜をより引き立てるように指定しています。余分は作れど、そこはドレスシューズメーカー、サンクリスピン。

ドレスシューズの枠から逸脱することなく収めています。

Derby 5 eyelets punched cap toeの外ハトメ(metal eyelet dark brown)
Derby 5 eyelets half brogueは外ハトメなし。紐は当店の田中十靴組紐、黒紫に変えて撮影しています

比べると違いがわかる。

セミブローグモデルは外ハトメをなくしています。

今回メダリオンとギンピング(ギザギザ)を加えスポーティーさをプラスするにあたってドレス度はパンチドキャップトウと同様のバランスに保ちたかった。そこで羽根部分をシンプルにしました。

ハトメを無くしても独特の湾曲を描く羽根が個性を失わない

当店の基本スタンスはスーツスタイルにコーディネート出来る靴。でありながらそこから崩していける靴を考えています。単純にお仕事に履けて、普段も履きたいなと思える靴。

実際普段履くかというと履かなくてもいいんです。ただ履いてみようか?とイメージはできる。それだけでも違うと思います。簡単そうで結構ハードルは高いので。

そのイメージは、ワークブーツモチーフのデザインをドレスシューズメーカーに依頼することで、いい塩梅になると私は考えました。何故なら基本はドレスシューズだから。

逆に例えるとわかりやすい。

ワークブーツを作るメーカーにドレスシューズのデザインを依頼してもそれはワークブーツです(そのコンセプトも格好いいと思います)しかし着崩すいいアイテムにはなれど、ドレスアップは出来ない。もしくは限度がある。

ドレスシューズであればドレスダウンする事が出来ます。分かりにくいですがトータルでコーディネートした際の着地点の違いです。

Derby 5 eyelets half brogueはこちらからご購入頂けます

私の出発点は先にも書いた通りスーツスタイルにも履けるドレスシューズ。

普段も履くと書きましたが、もしスーツを着る機会のあるお仕事ならこの靴が普段履く靴といえるかもしれません。(普通お仕事をしている日のほうが多いですから)

そしてたまの休日に、この靴を履いたカジュアルなスタイルでもやってみようか?とイメージできる靴になれば嬉しい限りです。当店は、その為のデザインバランスであったりシルエットを日々模索しております。

gidai

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