ほぼ手仕事により生産されるサンクリスピンの靴故、年間生産足数は約1500足と非常に少ない小さなメーカー(これはホント少ない。大きい靴屋なら1メーカーに対しての発注が年間1000足とか)
にもかかわらず世界中に愛好家を獲得しているサンクリスピン。
元々、数人の顧客を相手にオーダーメイドの靴を作り始めたのが始まりです。
通常のメーカーでは、こちらの指定した木型、デザイン、革、色、底周り等で一足だけ作って、というのはちと厳しい。
ましてや、一足のデザインのここをもうちょっととか、パターン自体を変更、作ってもらうのは更に厳しい。
サンクリスピンは一足からのオーダーを受ける細やかさが残っている非常に希少なメーカーです。
要は手作業で作るのでそんな数作れない、だから高いんですけど、メチャメチャ小回りが利くんですね!!
ここからようやく田中十靴店のSaint Crispin’s Model 741 タッセルローファーのお話
まだちゃんとご紹介していない部分があるんです。
底周りはいつもの指定の厚み8ミリ、レザーソール
このモデルは私のタッセルローファーのイメージをいい意味でぶち壊してくれたボリューミーチゼルトウのローファー。
このシルエットをより引き立てるのが、通常ヒールより高さ4ミリアップさせ地面に近づく程シェイプさせたキューバンヒール!!
ここなんです!!
サンクリスピンの無数の仕様の中からこのモデルにふさわしいシルエットを導き出したわけですが、さてここからが大変でしたし面白かった。
私がキューバンヒールと指定してオーダーシートを送るとルーマニアのクリスチアーナからメールがくるわけです。
後からメール読んだら分かるんですが、クリスチアーナは「キューバンヒールはスタンダードか4ミリアップかどっち?」と聞いてるんですが、私はキューバンヒールはシェイプさせるだけだと思ってたんですね。
なので、OKキューバンヒールで!!みたいなメールを返すわけです。
そしたらまたクリスチアーナが同じようなメールがくる。
これが三回ぐらい続きまして、私ようやく理解する訳です。キューバンヒールにも通常の高さバージョンと4ミリアップバージョンがあるのね?
凄いなそこまで細かく指定出来るし確認してくるメーカー、サンクリスピン!!
流石!!芸が細かい。
勿論、指定はよりシェイプが際立つ4ミリアップキューバンヒールで!!
因みに通常のキューバンヒールと4ミリアップキューバンヒールの違いが分かる画像も送ってもらいました。
またどこかで通常キューバンヒールも使おう。
この傾斜とシェイプがスポーツカーの美しいボディーラインと重なる。
もしくはシャコタンのようにぐぅ~っと地面を這うように見せといての括れ。
車詳しくないんであれなんですがそんなイメージです。
- Saint Crispin’s Model 741
- 価格:¥239,800(税込)(シューキーパー込)
- ラスト B-Chiseled
- 素材 MOU
- 色 BURGUNDY
- 底材 Single leather sole
- 製法 Hand sewn welted
- ウィズ F
靴自体の美しさは勿論ですが履いた時の優美さは絶景!!
美しさにも基準は色々あると思うんですがこのチゼルトウの木型の、このタッセルローファーのデザイン
だからこそのキューバンヒール。
正解だったかと。
事細やかに対応してくれるサンクリスピンによって生み出された田中十靴店のサンクリスピン741
美しい傾斜を持つチゼルトウ、タッセルローファー。
物のクオリティー、履き心地も味わいながら、このシルエットを活かして是非着飾って下さい!!
皆様のご来店、お問い合わせを心よりお待ちしております。